振動解析の理論と応用<上>
機械力学系書籍紹介です。本の名前長いです。
タイトル:電子計算機活用のための振動解析の理論と応用<上>
著:L.マイロヴィッチ
訳:砂川 恵
出版:ブレイン図書出版
この本は、大学の時に使ったものです。
特別良い本かどうかわかりませんが、そこそこ読み込んだため
このブログでも紹介する記事のモデリング部分ではこの本を
参考にして書いています。
普段の生活の中ではブレイン図書出版ってあまり聞きなれませんし、
とうぜん本屋さんでも見ることは少ないかと思います。
学生の時に購入して、上巻だけだったのですが卒業後もどうしても
読みたくなったので下巻を購入したのですが、探すのに苦労した覚えがあります。
一応、
『理工学海外名著シリーズ43』
とあるので、歴史ある訳本なんだと思います。
本の構成
・1自由度線形系の自由振動
・1自由度線形系の強制振動
・2自由度系
・多自由度系
・連続系、厳密解
こんな感じです。
これは、電子計算機活用のためのと書いてあるのですが、
何らかの言語でプログラムが書いてあるわけではありません。
若干、計算機向けかなと思うのが質量項、バネ項、減衰項を
係数マトリクスとしておいたところでしょうか?
制御でいうところのABCDマトリクスにしたものでもなく、
他の教科書と比べるとイマイチな気もしますが、例題はわりとわかりやすい形で
数値を入れて示してあるのは海外的な教科書かもしれません。
一番最初からすでに振動の話がでてきてクーロン摩擦やエネルギの話を出してしまうのも
珍しいと思います。あと1/2自由度の話とか・・・
最初だけ見るとピンと来ないのですが、120ページ当たりの第4章、多自由度系までよむと
この本が計算機を意識したというのもなんとなくわかってきますが、本領発揮するのは
下巻なので上巻は振動解析のための準備といったとらえ方が良いかと思います。
ちなみに上巻でも200ページ以上あるのですが、ラグランジュとかダランベールの
解説がなんと下巻に掲載で、上巻で連続系まで解説している割にこうした事項が下巻
ってのはなんだか手ごわそうです。
かゆいところに手が届きそうで届かないが、割と幅広く他の書籍では解説してないことも
載っているのは良いところで、私はモデリングするときいつも参考にしています。
私が好きな本であることは間違いありませんが、初心者にはおススメできないのと
計算機のプログラムは全くないのでそういう変わった本ということで!