モデリング講座:遊星歯車のダイナミクス(選んだ理由①)

遊星歯車を題材に選んだ理由を紹介します。

機械系の力学ですが大きく3つあります。

  • 質点力学
  • 剛体力学
  • 弾性力学(連続体)

それとは少し分野が違うのですが

  • 機構学
  • 塑性力学/破壊力学
  • 熱流体力学

があり、ここでは前者の3つについて解説します。

・質点力学

主に固い物体を、質量があり、高さなどの寸法形状を無視した点、

これを『質点』とよび、その動き(運動)を考える力学。

動きは質点の『位置』のみを考える。

・剛体力学

質点力学の『質点』に対し、固くて変形しない物体が寸法形状を有する

これを『剛体』とよび、その動きを考える力学。

動きとしては剛体の『位置』および『姿勢』を考慮する必要がある。

・弾性力学

質点や剛体が固くて力を加えても『変位が生じない』と考えるのに対し、

弾性力学では

『外力を加えればその個体内で変異が生ずるが、

外力をなくせばもとに戻る。』

これを弾性とよび、個体内の変異や応力について考える力学。

例えば、ベンチの上にペットボトルを載せても特に変化はないが

特に重い人が乗ればたわんでしまいます。

ペットボトルであればベンチは剛体で考えても問題ありませんが

人間であれば弾性体として考える。

特に、その物体が壊れるかどうかを調べるのに使う力学です。

こんな感じです。

で、これらを踏まえて機械系のシミュレーションを考えた場合、

質点力学、剛体力学の様に物体の運動を扱ういわゆる

ダイナミックシミュレーション

と呼ばれるものがSimulinを用いたシミュレーションを得意とします。

弾性体のシミュレーションの場合は物体の強度を解析したりして、

静的な強度解析をするのですがスタティックシミュレーションという

言い方はなかなかしません。

機械学会とかで定義があるのかは知りませんが、時間領域で

物体の運動を考えて微分方程式を数値的に解くことを

『数値シミュレーション』といい、強度解析など式を解析的に解くことを

『何とか解析』ということが多い様に思います。

 

余談ですが、私が学生時代は恩師にその様に教わりました。

次回、モデリング講座:遊星歯車のダイナミクス(選んだ理由②)です。

 

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