遊星歯車のダイナミクス(スタティクス)
ようやく数式ツールが使えるようになったので
遊星歯車の力学について考えてみます。
ちなみにMATLABじゃなくってLateXです。
遊星歯車の力学
さて遊星歯車の力学を考えた場合
大きくこの三つに分けて考えます。
・機構学
・回転の静力学・・・静的な回転関係
・回転の動力学・・・動的な回転関係
・強度力学・・・歯車強度
・力の伝達・・・歯車要素の形状、効率
歯車をもし一から設計しようとした場合、
遊星歯車は減速装置なので減速比が最も重要になるかと思います。
それと同じく、特に自動車のATであれば
大きなトルクを扱うので歯車のトルク容量が重要になります。
最初の方で説明しましたが、ここで言うな遊星歯車のダイナミクス
は遊星歯車の回転運動を扱うものです。
ですから回転の動力学を扱うことになりますが、
強度力学や力の伝達関係も厳密にいえば影響を受けますが
ここでは無視して考えます。
もし、すべて考慮するとほとんど解けないというくらい複雑です。
遊星歯車の基本公式
遊星歯車のスタティクス(静つり合い)基本公式は以下3本の基礎式となる。
回転数関係:[latex]N_R-N_S=\lambda(N_C-N_S)[/latex]
トルク関係:[latex]T_R+T_C+T_S=0[/latex]
エネルギ関係:[latex]N_RT_R+N_CT_C+N_ST_S=0[/latex]
(参考:ATの変速機構及び制御入門、著:守本佳朗、グランプリ出版)
これら3本の式は、スタティクスを考える上で最も重要です。
ただ、ダイナミクスを考える上では本来はこのほかに
ピニオンに関する項も考えるのが望ましいのですが、
さらに複雑になってしまうので省略します。
サンギア、リングギア、キャリアは全て自転運動です。
ですが、ピニオンギアだけは自転と公転運動が混ざり複雑な動きをします。
どれだけ影響があるかはさておき、一番めんどくさそうなやつが
無視できるのはラッキーです。
実際のATでは
実際のATではそのスペックを検討するときに
サンギア、リングギア、キャリアの回転関係およびトルク関係を示す、
速度線図を用います。
ATの変速比には速度線図上でもピニオンは現れてこないので
特にピニオンはスタティックな検討においては不要なのかなと思います。
ただ、運動を考慮すると無視できない場合も出てきますが
それは今回省略しますね。
次回は
次回の遊星歯車のダイナミクスですが、ここで示した3本のスタティクスの式を
用いてダイナミクスに変換します。
今回はMATLAB使いませんでしたが、次回はちょっとくらい使うかもしれません。
連立方程式を解かないといけませんが、MATLABオプションのSymbolicMath使います。
SymbolicMathToolbox持ってない方も多いと思いますので
その結果だけ紹介する形にしますね。
この講座の目標としてはMATLAB/Simulinkだけでモデリングして
アニメーション、シミュレーション、制御までしてみたいと思っています。